あのね、聞いて。
思い出話なんだけど。
幼い頃、社宅に住んでいた。
そして、お隣にはちかちゃん一家が住んでいた。
ちかちゃんは同い年の女の子で。
僕たちは、毎日のように一緒にいたらしい。
踊ったり歌ったり、遊んだりしていたらしい。
もちろん記憶はない。
けれど幼いこというものは芸を仕込まれるもので。
僕たちは2人で芸を仕込まれていたようだ。
そのひとつが「しゅきしゅき」というもので。
「しゅきしゅき~」って言われると、2人でほっぺたをスリスリしていたらしい。
「しゅきしゅき~は?」と言われ、2人でスリスリしていたらしい。
思い起こすと、これが初めて身内以外に僕が表現した
「はじめての好き」なのかもしれない。
だけど、その生活も長くは続かなかったようだ。
ちかちゃん一家は、引っ越してしまったらしい。
それからだいぶ時が経ってから、僕たちは再会することになるんだけど。
それはまた、別のお話。
聞いてくれてありがとう。
コメント