あのね、聞いて。
思い出話なんだけど。
美人姉妹のお姉ちゃんは、ポニーテール。
少し茶色のサラサラの髪。
名前はゆうちゃん。
お父さんがいつもお母さんに「髪を切らないで」って言っていて。
僕もなんだかそれをまねしてゆうちゃんに「髪を切らないで」って言ってた。

ゆうちゃんは髪を切らないでいてくれた。
サラサラのポニーテールがいつも風になびいていて。
とってもきれいだった。
僕とゆうちゃんは結婚の約束をしていた。
両家が認める婚約者だった。
といっても、子供の約束だけど。
阪神ファンだったゆうちゃんのお父さん。
僕も婿として認められるべく阪神ファンだったんだ。
だから、六甲おろしだって歌えたし。
ずっとずっと一緒だと思ってたし。
ゆうちゃんと結婚するんだと思っていた。
そんな子供時代だった。
でも、ゆうちゃんは本当に人気者で。
いつも一緒にいることを嫉まれることなんて日常茶飯事だった。
美人のゆうちゃんと僕は釣り合ってなかったと思うしね。
でもゆうちゃんはそんなことお構いなしで。
僕といつもなかよくしてくれていた。
心も美人だったんだね。
年上の人がいじめてきたら、ゆうちゃんが守ってくれた。
とってもありがたかった。
優しくて強い女の人で。
美人で。
僕はゆうちゃんが大好きだったんだ。
聞いてくれてありがとう。
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