
今日のお昼、何食べよう?
炊きたてのご飯は、保温ジャーの中でぬくぬくと出番を待っている。
あとはメインとなる最高のおかずがあればいい。
野菜はいただいたナスとピーマンが残っていたはず。
AIにそのことを伝え、レシピを考えてもらった。
よし、決まりだ。
今日の主役は「ナスとピーマンの味噌炒め」。
フライパンをコンロにセットし、僕の頭の中はすっかり甘辛い味噌の香ばしい匂いで満たされていた。
完全に「味噌炒めの口」になっていたのだ。
ところが、いざ野菜室から取り出してみると、思わず時が止まった。
…シワシワである。
出撃準備万端だったはずのナスとピーマンは、完全に息絶えていた。
ナスはシワシワ、ピーマンは赤く変色しかかっているものさえある。
フライパンを握りしめたまま、キッチンに漂う無音の空気。

え…どうしよ。
脳と胃袋だけが味噌炒めの口のまま取り残され、一気に絶望の淵へと突き落とされた。
だが、ここで諦めるような僕ではない。
ジタバタとあがいて野菜室を捜索すると、ゴロリと出てきたのは「玉ねぎ」と「ジャンボニンニク」。
よし、戦力変更だ。
AIに相談して新しいレシピを考えてもらう。
新レシピが一瞬で完成。
しかし調味料を確認すると、レシピにある「みりん」がない。
代替案の「日本酒」すらない。
八方塞がりかと思ったが、その旨をAIに報告。
計量スプーンを探すのも面倒なので、AIに相談して調味料の分量は比率でレシピを組み立ててもらうことにした。

味噌は愛知の友人が帰省の際のお土産にくれた八丁味噌があった。
【黄金比率のコク旨タレ】
- 八丁味噌:2
- 水:2
- 砂糖:2
- 醤油:1

まずは調味料を混ぜておくのだが、醤油がなかった。
代わりに九州の甘いさしみ醤油で代用。
カレースプーンで分量を量り、ぐるぐると練り混ぜ、ペースト状にして準備完了だ。

玉ねぎはくし切りに。

ジャンボニンニクはスライスでもよかったんだけどホクホク感を味わいたかったので乱切りにした。

まずはフライパンに油を敷き、ニンニクをホクホクに炒めて、そのあと玉ねぎを入れて一緒にフライパンでじっくり火を通す。
甘い香りが立ち上ったところで、あらかじめ合わせておいた濃厚な八丁味噌タレを回しかけた。
ジュワッと弾ける香ばしい音。
皿に盛り付け、いざ実食。

タレだけを舐めた時は「ちょっと濃いかな?」と不安になったけれど、火の通った玉ねぎの甘みと、大きめに切ったジャンボニンニクのホクホク感が合わさると…めちゃくちゃ美味しい!
たまたま使った甘口の刺身醤油が全体をまろやかに包み込み、八丁味噌のコクと相性抜群。
ご飯をかき込む手が止まらない。
途中で「仕上げにバターを落としてガリバタ風にする」予定をスッキリ忘れていたことに気づいたけれど、そんなミスも気にならないくらいの満足感だった。
次回は絶対にバターを入れて、さらなる「コク増し」に挑戦してみよう。

食後には、農家さんからいただいた傷梨の「幸水」を剥いた。

友達にもらったりんごの皮むき器が毎年大活躍。

使う包丁は愛用のエバーシャープ。

少し時期が早かったのか甘みは控えめだったけれど、濃いめのおかずを食べたあとの瑞々しいシャキシャキ感は、最高の口直しになってくれた。
残った梨は傷む前にカットして冷凍庫へ。
次はコンポート(砂糖煮)にして、甘みをぎゅっと閉じ込めてあげるつもりだ。
思い通りにいかないことなんて、日常にはいくらでもある。
ナスとピーマンが全滅していたって、みりんや日本酒が無くたって、目の前にあるものでジタバタあがいてみれば、予想もしなかった絶品のごちそうに辿り着く。
カッコよくスマートにいかなくてもいいじゃないか。
泥臭く工夫して生み出したその一杯こそが、僕たちの今日をちゃんと美味しく、愛おしいものにしてくれるんだから。
今回使用したものまとめ。


