『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観て。
エンディングでひそかに興奮したんだ。
エンディングテーマを聴いてさ。
あれ、これ、ちいかわの声優の子じゃない?
歌ってるの!
ってね。
これまでキャラが歌ってきたのはハチワレやパジャマパーティーズで。
まぁ、パジャマパーティーズの歌は正直、ウワワウワでなにを言いたいのか僕らにはわからない言葉だった。
ウワワタクタクチャオ。
今回エンディングテーマは『机さする』という曲で、歌っているのは青木遙さん。
ちいかわ名義ではなく、ちいかわの声優さん名義です。
とても綺麗な歌声で、ポップな感じ。
知っている人は知っていると思いますが、作中で僕らが理解できる言語を使うのは数えるほどのメンバーしかいません。
そしてちいかわは、僕たちがわかる言葉はほとんどしゃべりません。
だからこの日本語で歌われている歌はちいかわ名義ではないんだろうなって思います。
だけどなぜ、ちいかわの声を使ってこの歌の歌詞を僕たちにわかる言葉で今伝えようと思ったのだろうか。
少し悲しい考察を泣きながらしてしまいました。
ちなみにオープニングの『くつずれ』は、ハチワレ名義。
写真撮って見返すあたり、ハチワレそのもの。
ハチワレはカメラを持っていて、よくいろいろなものを撮って残しておくからね。
この『机さする』は、書いて残しておこうという歌。
メンバーの中でよく書いているイメージがあるのは、ちいかわとシーサーかな。
けどこの歌はちいかわの声で歌われてるので、ちいかわ視点なのかなって思いました。
ねぇ、もしかしてさ。
今見ている僕たちのちいかわの物語が
覚えてても 忘れそうでさ
書いとこ こわいから
って思ってちいかわが書き残した物語だったら?
そう考えたんだよね。
新しく更新されるたびに最新話だと思っているけどさ。
日常の話もこの大冒険も、ちいかわが書き残した物語を僕らが古いおはなしから読んでいるだけだとしたら。
現在のちいかわは、みんなはどうなっているのだろうかなってさ。
思ったの。
そしたらたくさん気になることがあるんだよね。
まず言いたいのは花瓶のことなんだけどさ。
あの花瓶 いつか買ってさ
飾ろうね 約束
この『花瓶』というキーワードで思い出すのは、ほめられリボンの花瓶なんですよね。
リボンが二重になって幸せも喜びも二重になったあの花瓶。
最近ではちい、ハチ、うさの3人の色の花が飾られることもあるあの花瓶。
どうしてもそれを思い出すんです。
だけど、不思議ではないですか?
あの花瓶は、あるよね?
現在あるものを、なんで買うのだろうか。
だけど「あの花瓶」と言われたら、あれしか思いつかない。
なぜ買うのか、それはこの歌の時はなくなってしまっているのではないかと思うのです。
リボンはなくなった時、買ってきた。
ちいかわはそうした。
花瓶も割れたかなくしたかなにかで、なくなってる?
まって。
じゃあ、それって今じゃない?
だって今は、花瓶あるよね?
そう思った。
これから先、いつか。
花瓶がなくなるのかな。
じゃあ、今、ちいかわは机をさすって何を思い出しているのか。
思っているのか。
ただこの島の思い出を書いとこ、ならいいんだけどさ。
なんで花瓶が出てくるのか僕にはわからないんです。
島でお花を摘んできたわけでもないし。
鱗は飛んでいったし、飛んでなかったとしても花瓶に鱗は飾らないよね?
ちいかわは何を忘れそうで怖いのか。
ちいかわは誰に話しかけているのか。
なんかすごく考えたくなくて、怖くて悲しい気持ちになるんだけど。
いなくなったハチワレに話しかけているのかなって。
たとえば鳥 あるいは ねこ
その中で 見てるって
思うのも自由
何があったか べつに
聞かないけどね
ちいかわは、今回のことも聞かなかった。
島での犯人が誰なのか。
僕達は映像で見せられたから真相を知っているけれど。
ちいかわは断片的な情報しか持っていない。
ヒトハとフタバの家の鍋から落ちたっぽい鱗。
人魚のヒミツが書いてあった図鑑がある家はあの2人の家だった。
セイレーンに吹っ飛ばされたフタバの体にあった電池ケース。
そこにヒトハが電池を入れたら動き出したフタバ。
だけど、真実は知らない。
犯人捜しもせず、何があったかべつに聞かなかったから。
それと同じことが、将来起こるなら。
ハチワレに何かがあって、姿を消したら。
もしくは、今の姿ではなくなったら。
ちいかわはいなくなったハチワレを想いながらも、何があったかべつに聞かないのだろう。
ただ、事情を考えながらも寂しくとも帰りをじっと待つのだろう。
いなくなったハチワレが、鳥の姿やねこの姿になって見てくれてるって思うのも自由。
そして、書いとここわいからの続きは。
撮っとこ こわいから
ハチワレはもういなくて。
花瓶もなくて。
だけど、カメラは残していったとしたら。
書くのも、撮るのも。
ちいかわがやるしかない世界になってしまっていたら。
もしも花瓶が割れたならさ。
ハチワレもちいかわも修理すると思うんだよね。
でも、買うってことはそれは「ない」んじゃないかな。
どうして「ない」のかはわからないけどさ。
いつか花瓶を買おうってのは、いつか君に戻ってきてほしい。
そういうことなのかな。
ハチワレが残したカメラでちいかわが撮っとく。
また再会した時のために。
戻ってきた時のために。
忘れたくないから、書いとく。
また会える日のために、また話せる日のために。
話したいことがたくさんあるから、忘れないように。
そして、この『机さする』の歌詞の中にカタカナは登場しない。
「ネコ」とか「イヌ」とか「サカナ」とか、カタカナにしてもいいような単語はあるんだけど、全部ひらがななんだよね。
この世界でカタカナといえば、僕らにわかる言葉で話してくれるちいかわ族のメンバーは名前がカタカナなんだよね。
ハチワレ、ラッコ、モモンガ、シーサー。
そこまで全員じゃないとしてもさ。
ちいかわ、ハチワレ、うさぎの中の、カタカナがない世界。
ハチワレがいない世界…?
ちいかわとハチワレの絆の象徴である花瓶がない世界。
ちいかわが書いて、ちいかわが撮っとく世界。
書いて、撮って、残したい世界。
忘れたくない世界。
それはどうして?
ちいかわの声は誰に歌いかけてるの。
ちいかわは机をさすってどんなできごとを思い出しているの。
誰の存在を思い出しているの。
何を、誰を忘れそうで怖いの。
あの場所ってどこ。
ハチワレのすみかの洞窟?
カメラは見つけたけど、花瓶は見つからなかったの?
『机さする』ってのもさ。
ちいかわの家のは円卓で、机というよりもテーブルって感じなんだよね。
一方ハチワレの家のはみかん箱(ダンボール)をひっくり返したような、机って感じ。
つまりちいかわがいなくなったハチワレを想いながら思い出を思い出して、ハチワレの机をさすりながらあの日々のことを考えているシーンのような。
そしてそのいつもの場所には花瓶がない。
そう考えてしまって。
そのシーンを思い浮かべて悲しくなって泣けてきた。
ハチワレの強さを求める姿。
パラレルワールドで描かれた姿。
強さを求める姿は儚くもある。
ハチワレがハチワレでなくなった世界がいつかくるのだろうか。
カタカナが存在しない世界は、ハチワレが存在しない世界の話じゃないよね。
ひらがなと漢字(鎧さん)だけの世界を示唆しているわけじゃないよね。
そんな日がいつかくるのではないか。
いや、本当はもうきていて、僕たちが見ているのはちいかわが机さすって書き残した、撮って残した世界なのではないか。
ちいかわが「あの日々」の思い出を書いた物語なのではないのか。
あのいつもの曲ってどの曲。
朝の曲はあるけど、夜の曲ってないよね?
そんな悲しい結末を。
考えてしまったのでした。
でも。
明日は たぶん 起きたとき
変わらず君に現れてほしい。
そんなんじゃないんじゃないのかな
『くつずれ』も考察してみました。



