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竹林から響く悲痛な叫び

王子な日々
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かつて、偉大なる父(国王)は言った。
「あの山なら好きにしていいぞ」と。

王子はそれを「領土割譲(りょうどかつじょう)」という名の、新たなる門出だと受け取った。

意気揚々と乗り込んだそこは、見渡す限りの竹、杉、檜、そして田畑とご先祖様のお墓。
季節は三月。
蚊こそいないが、代わりに杉の木々が黄色い粉(花粉)をバラ撒き、王子の鼻を破壊しにかかっていた。

これは、Wi-Fiの代わりに花粉が舞う聖地で、一張りのテントを城と言い張る王子たちの、過酷な建国日記である。

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第一章:圏外という名の『鎖国』

王子
王子

あああああ! 執事!
僕サマのスマホが『四面楚歌(しめんそか)』だよ!
全然、電波が届かないんだもん!

竹林の真ん中で、王子がスマホを空に高く掲げながら叫んだ。

執事
執事

王子、それは四面楚歌ではなく、単なる『圏外(けんがい)』です。
ここは杉と檜に囲まれた天然のバリアーですから。
スマホを振っても電波は増えません、腕が疲れるだけですのでおやめください。

王子
王子

もー!
ブログを更新しようとしたのに、このままじゃ僕サマの言葉が世界に届かないじゃないか!
大臣、今すぐここに電波の塔(アンテナ)を建ててよ!

大臣
大臣

王子…アンテナを建てる予算など、この竹林のどこを探してもございません!
ああ、ご先祖様のお墓の前でなんという失態…不徳の致すところ、このタケノコ掘り用のクワで私は責任を取って切腹を…!

執事
執事

大臣。
クワで切腹は掃除が大変ですし、あとで畑で使いますので絶対にやめてください。
王子、川の近くまで行けば、わずかに電波を拾えるかもしれませんよ。

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第二章:花粉と刺客の波状攻撃

そこへ、シェフが竹の器をうやうやしく運んできた。

シェフ
シェフ

建国祝膳でございます。
竹林で採れたてのタケノコと、畑の菜の花の和え物です。

王子
王子

はっくしゅん!
…わあ、おいしそ…(ピッピッピッ!)
……待って!
花粉で鼻が詰まってるはずなのに、僕サマの高性能センサーが『緑の悪魔』を緊急検知したよ!
シェフ、菜の花に紛れ込ませて、茹でたグリンピースを隠したね!?

シェフ
シェフ

……チッ。
花粉症で感覚が鈍っていると思ったのですが。
流石は、お父様の土地に守られた王子の本能ですね。

メイド
メイド

(カシャカシャ!)
電波を探して川べりまで走る王子サマ!
まさに『現代の野生児』!
尊すぎて竹になりそうです!
奇跡的に電波が1本立った瞬間に、#ワガママ王国 #花粉症 #建国 で投稿しました!

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第三章:インターネット建国への第一歩

王子は、テントの中で一台のノートパソコンを開き、テザリングの接続ボタンを必死に連打した。

王子
王子

いい、みんな。
これからはこの竹林、杉林、檜林、そして田畑とお墓に囲まれたこの場所から、インターネットを通じて世界に僕サマの魅力を発信していくんだ。
ブログの維持費は、民からのチップで賄うよ。
これが僕サマの『一網打尽(いちもうだじん)』の第一歩なんだ!

執事
執事

……それを言うなら『一世一代(いっせいちだい)』の大勝負、でしょうね。
まあ、電波が入るかどうかすら博打のような場所ですが。
見守らせていただきますよ。

王子
王子

任せて!
みんな、僕サマが電波と花粉に負けずに日記を書くために、コーヒー1杯分のチップを投げてね!
支援してくれた民には、僕サマが川で拾った『ちょっと綺麗な石』を心のどこかでで授けたつもりになるから!

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