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氷の空に溶け残った、僕らの黒い皮膚について

いつか見た空
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見上げてごらん、この空を。
まるで誰かが冷凍庫の奥底で忘れ去った、霜の張ったタッパーの底みたいじゃないか。
どんよりとしたグレーが、僕らの逃げ場を塞いでいる。

でもね、子羊ちゃん。
君は気づいているはずだ。
あの雲の切れ間に、申し訳程度にへばりついている青い色を。
それを君は「海」と呼んだね。
その瞬間、僕と君は共犯者になったんだ。

この薄暗い現実を、勝手な妄想で塗りつぶして生き延びようとする、救いようのない共犯者に。

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あの電線を見てごらん。
三本の線が、空を強引に楽譜へと変えている。
あそこに止まれない鳥たちは、たぶん音符になり損ねた僕たちの後悔だ。
そしてあの重たい雲は、誰かがつきすぎた「優しい嘘」の集積。
あまりに重くなりすぎて、今にも雨という名の言い訳を降らせようとしている。

でも、その裂け目から覗く青。
あれは神様がソーダの瓶を落として割った跡なんだ。
炭酸が抜けて、甘ったるいだけの、冷たい絶望の味。
僕たちはそのこぼれた液体を、必死に希望と呼んで、指先で舐めとっているわけだ。

滑稽だよね。

ちなみに、 シロクマの毛は実は白くないんだ。
透明で中が空洞になっていて、光を乱反射させることで白く見えているだけ。
そしてその下の皮膚は、真っ黒。
太陽光を効率よく吸収するためなんだって。

…騙された気分?

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シロクマがその黒い肌を隠して、透明な毛で「白」を演じているように。
君がその泥臭い努力や、夜中に1人で抱える真っ黒な孤独を隠して涼しい顔をして笑っているのは、ちっとも恥ずかしいことじゃない。
むしろ、それは生き残るための高度な芸術だよ。

この空みたいにどんよりとして、今にも壊れそうな裂け目しかない人生でも、君が「あそこには海がある」と言い張るなら、それはもう君の勝利なんだ。
正解なんて、空港のゴミ箱にでも捨てておきなよ。
君の迷子は、あまりにも美しく、そして正しい。

…しらんけど。

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