今年も無事に、我が家に「當間(とうま)感謝祭」の季節がやってきた。
スマホの画面にぽつんと浮かぶ

今年も送ったぞ
の7文字。
たったそれだけの言葉なのに、僕の胸の奥からは、言葉にならないワクワクがじわじわと溢れ出して止まらなくなるんだ。
振り返れば、あれはいつのことだったかな。
始まりは、まだ何者でもなかった大学時代。
沖縄出身の友人・當間の家に遊びに行ったとき、そこには見慣れない南国の果実——マンゴーがあった。
當間は手際よくナイフを動かし、綺麗な格子状に切って、ぽんと僕の前に差し出してくれたんだ。
それまで加工されたものしか知らなかった僕にとって、それが人生初の「切りたての果実のマンゴー」だった。
一口、パクリと口に運ぶ。

……!
言葉を失った。
めちゃくちゃ甘くて、圧倒的に濃厚で。
口の中が南国の熱気と幸福感で一瞬にして満たされていく。

世界には、こんなに最高な果物があるのか!
って、本気で感動したのを今でも鮮明に覚えている。
その当時はたぶん、當間のおじいが愛情を込めて育てていたマンゴーだったんだと思う。
本当に、気絶するほど美味しかった。
大学を卒業して、お互いに別々の道を歩み始めてからも、當間は毎年変わらずにマンゴーを僕のもとへ送り続けてくれている。
もうね、沖縄の方角には絶対に足を向けて寝られないレベルの恩義である。
そして今年も、我が家に當間からの贈り物が無事にやってきた。

段ボールを開けると、あの頃と変わらない甘い香りがふわりと鼻腔をくすぐる。
だけどね、このマンゴーを眺めていると、ただ「美味しいものを食べる」っていう以上の、もっと熱くて尊い感情が込み上げてくるんだ。

お互いに大人になって、日々の暮らしに追われて、なかなか簡単には会えなくなった。
それでも、この季節にマンゴーが届く。
それはつまり、「當間も元気に生きている」という何よりの便りであり、それを受け取って笑顔になれている僕もまた、「元気に生きている」っていう証拠なんだよね。

生きている。
そして、健康で、これを美味しく食べられる。
それって実は、ものすごく奇跡的で、最高にありがたいことなんだ。

さあ、今年も厳かに包丁を入れよう。
綺麗に三枚におろして、見事なダイスカットにする。
贅沢に果肉を頬張れば、間違いなくあの頃と同じ、圧倒的な甘みが元気をくれる。
行儀悪く種のまわりを夢中でしゃぶっている時間さえも、愛おしくてたまらない。
泥臭くあがく日々のなかで、こうして変わらない絆に背中を押してもらえる。
生きている喜びが、じゅわっと身体中に染み渡っていく。
胸の奥で、静かに、だけど激しく叫ぶんだ。
あぁ、生きててよかった。
當間、今年も本当にありがとう。
最高のエネルギーをもらったよ。


