透明なくせにとんでもない辛さにだまされた!
(パンダ談)
あのね、聞いて。
お料理の話なんだけど。
僕の心は今、ズタズタのボロボロで綿がはみ出してるます。
いつもお友達が食べてる、それはそれは「しあわせの象徴」みたいな麺がありました。
豆乳スープの、真っ白で、赤ちゃんのお肌みたいな質感のラーメン。
麺はこんにゃく麺って特別な食感って聞いて。
僕はてっきり、食べても無罪放免、前科もつかないヘルシーな天使だと思い込んでいました。
あぁ、おいしそうだ。
って、脳内でお花畑をスキップしながら、食べる想像ばっかりしてたのです。
今回、いただく機会があったので作ってみたます。
送ってくれてあざざます。
うきうき、わくわく。
しっぽがちぎれるくらい振っちゃうます。

これがその麺。
噂のアイツ。

こんなセットになってるます。
麺、かやく、とうにゅうスープ、カラミダレ。
さっそく、僕の不器用なおててで作っていこういこう。

かやくを煮るます。
この工程が、カラカラに乾いた「かつての生命体」を無理やり現世に呼び戻す儀式みたいで。
ちょっとゾクゾクするます。
ちなみに作り方はこちら。

| 順序 | 工程 | パンダの心の声 |
| 1 | かやくを煮る | 蘇れ、野菜の亡霊たち。 |
| 2 | 麺を別鍋で煮る | こんにゃく麺の弾力は僕の反抗心。 |
| 3 | スープと卵 | 白い霧の中に太陽を沈めるます。 |
| 4 | 辛味を足す | ここが運命の分岐点だぱん。 |
※調理順序に従ってください。
調理方法が変わると、味が損なわれる恐れがあります。
なんて、説明書に「逆らったら消すぞ」と言わんばかりの脅迫状が書いてあるので、僕はよい子にして逆らわないます。
あせるます。
お水の量も守るます。

スープは溶き卵も、ふわふわの雲みたいにちゃんと流し込みました。

見た目は完璧。
世界平和の縮図みたいな一杯が完成したます。
見た目は大人、頭脳は子供。
おいしかったです。
……最初はね。
この子には「辛い袋」が2袋付いてて。
なし⇒1袋⇒2袋の3段階で、僕たちの生存率を調節できるシステムになってるます。
せっかくなので、入れてみました。
お友達は全力で止めてきました。
しかし、かかし。
何も経験せずに「辛そう」なんて評価するのは、戦場を知らない軍師みたいで格好悪いと思ったます。
そしたら、どうなったと思う?

透明で、スープの色は一ミリも変わらないのに、舌の上で地雷が爆発したます。
色が変わらないのに激辛なんて、笑顔で刺してくるサイコパスのやり口だぱん。
口から火が出たます。
僕の可愛い喉が、溶岩で焼かれた粘膜の展示場になっちゃったます。
次からは、絶対に辛くないのにするます。
僕の人生には、もうこれ以上の刺激も裏切りも必要ないます。
平和が一番。
君も、隣で微笑んでる人が「透明な毒」を持っていないか。
ちゃんと確認したほうがいいますよ。
ちなみに、トウガラシが辛いのは「鳥にだけ実を食べてほしい」からなんだぱん。
哺乳類には痛い思いをさせて遠ざけ、痛みを感じない鳥に遠くまで種を運ばせる戦略だけど、結局人間に「この痛みがたまらん!」と品種改良されまくってるのは、トウガラシさんにとって最大の計算違いだぱん。
一生懸命な拒絶が愛を呼んじゃうなんて、不条理だぱん。
台所の隅で、使い道のわからない空き瓶が一つ、夕日に照らされていて。
窓の外では、野良猫がゴミ捨て場のカラスと領土問題を巡る不毛な会議をしてるます。
しらんけど。
白いスープに隠された殺意は、僕が君に言えない黒い独り言に似てるます。
飼育員さんだけに、内緒の話があるます。



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