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紫を監獄に閉じ込めた、一晩の恋

なう
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淡く溶けた甘い恋。
(パンダ談)

あのね、聞いて。
飲食の話なんだけど。

紫のハーゲンダッツが、ショーケースの向こう側からじっと僕を見つめてくるます。
その瞳の妖艶さに、僕は一瞬で理性を溶かされた。
レジという名の関所を抜けて、僕はやつを自宅へと連れ去りました。
まるで禁断の恋に落ちたかのように、心臓がバクバクするます。

でも、すぐに食べちゃうのはもったいなくて。
一晩だけ、冷凍庫という名の冷たい監獄にやつを閉じ込めておきました。
暗闇の中でカチコチに凍えさせて僕の体温を欲しがるまで待つという、少し倒錯的な愛情表現なのです。

ついにその時がきたます。
フタを開けると、そこには宝石箱をひっくり返したような光景が広がっていました。
上には2色のザクザクが、計算されたカオスのように並んでいるます。
まるで、現代アートをスプーンで破壊してくださいと言わんばかりの装いです。

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ひとくち食べると、紫色の見た目から想像するほどの「芋感」は襲ってこないます。
でも、それでいいのです。
過剰な主張は疲れちゃうから。

ほんのりとしたバターの濃厚さが、僕の寂しい胃袋を優しく、そして傲慢に満たしていくます。
甘い、ただひたすらに甘い時間。

こうして、高貴な紫のアートは僕の体の一部になって消えていきました。
あとに残るのは空っぽのカップと、一瞬の幸福を金で買ったという虚無感だけ。
結局、僕たちは胃袋を満たすために美しいものを壊し続けるしかない残酷な生き物なんだね。
まぁ、僕の脂肪になるなら本望だと思っておくます。

ちなみに、ラッコさんはお気に入りの「石」を、脇の下にある皮膚のポケットにしまっておく習性があるんだぱん。
その大事な石を失くすとごはんが食べられなくなるほど落ち込んで、絶望の淵に立たされるんだぱん。
代わりのきかない執着心こそが自然界で生き残るための足枷になるなんて、とっても不条理で愛おしい残酷さだぱん。

こんな風に宝石を咀嚼するようにしてしか明日への活力を得られないなんて、僕もあなたも随分と底が浅い生き物だと思わない?
溶けかけのアイスが、机の端で静かに液状化している。

しらんけど。


脂肪に変わる瞬間の、あの背徳的な快楽だけが僕の真実。
冷たい闇の向こう側で、もっとドロドロした話をしましょうか。

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