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美味しすぎる毒液は、ゴクリと重たい音がした

なう
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相変わらずの増加は続く。
(パンダ談)

あのね、聞いて。
今日も生きてるよ。

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砂漠の喉が、冷たい劇薬を欲している

「ゴクリ、ゴクリ」。
その音は、僕の喉という名の乾いた滑走路を冷たい炭酸が猛スピードで駆け抜けていく音だ。

透析生活を送る僕にとって、水分補給は「潤い」ではなく命を削る「賭け」に近い。
それなのに最近の冷たい飲み物は、まるで初恋の相手のように抗いがたい魅力を放っている。
喉が、脳を無視して勝手に欲しがっているのだ。
シュワシュワと弾ける刺激が粘膜を叩くたびに、細胞がパチパチと歓喜の声を上げる。

けれど、その数秒後。
魔法は解け、現実が胃袋に「重石」として居座りはじめる。
飲んだはずの水分は、行き場を失って僕の皮膚の裏側にじわじわと溜まっていく。

1,700g。
それは僕が快感と引き換えに背負った、具体的な「重さ」の記録だ。

この快感のツケを払うのはいつだって数日後の僕と、そして僕を支える機械やスタッフさんたちの静かな呼吸だったりする。

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かゆみの正体と、友人の差し出した「霧」

「めちゃめちゃ肌がかゆい」
独り言のように漏らした僕に、友人は「乾燥じゃないの?」と、呆れたような、でも底抜けに優しいトーンで教えてくれた。

彼女はいつもボディオイルスプレーを愛用しているらしい。
僕の「かゆみ」が透析患者特有の老廃物によるものなのか、それともただの乾燥の悪戯なのかは分からない。
でも、言われるがままに化粧水をスプレーしてみた。

細かな霧が、火照った肌を鎮めていく。
「まじ感謝」。
その一言を飲み込んだ時、喉ではなく心が少しだけ軽くなった。
僕がガブガブと水を飲んで体重を増やし、自分を追い詰めている間も、誰かはこうして「外側から潤す方法」を教えてくれる。

僕の体は今、設計図が少しだけバグっているけれど、こうして誰かの知恵を借りながら、少しずつ不具合を調整していくしかないのだ。

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血圧の安定と、静かなる「ガソリン補給」

今朝の血圧は、132/82。
あんなに水を飲んだのに、なぜだか機嫌がいい。
6時間16分の眠りから覚めた時、世界は驚くほど静かだった。

体重計の上で突きつけられた「+1,700g」という数字は、僕が昨日どれだけ喉の欲望に忠実だったかを冷徹に示している。
今日はもう、おとなしくしていよう。
これ以上、自分の体という器を水浸しにするわけにはいかない。

予定のない休日。
やるべきことは自分のメンテナンスと、車へのガソリン補給だけだ。
僕自身のタンクはもう満タン…いや、溢れんばかりの状態だけれど、鉄の塊である愛車にはたっぷりと栄養を与えてやらなきゃいけない。

窓の外を眺めながら、次は「ゴクリ」ではなく「チビリ」と、時間をかけて自分を愛でる練習をしようと思う。

僕の体の水分が、いつか綺麗な涙になって流れるその日まで。
僕たちはこの不自由な自由を、共犯者として生きていく。

とりあえず、ガソリンスタンドへ行こう。
赤いパーカーを少しだけ整えて。

聞いてくれてありがとう。

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